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「住宅のメンテナンス」目安となる期間と知ってトクする予備知識

【営業】 阿部 栄樹

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住宅を取得すると、「ついに我が家が手に入った」と一息ついてしまうものです。ですが、その安心も実は一瞬のこと。家にメンテナンスはつきものだからです。長く安心して住み続けるために、軽く考えてはならないメンテナンス。住宅の寿命を決めるものです。

今回は、住宅のメンテナンスについての基礎知識や注意点について探っていくことにしましょう。

1.外壁―外壁材によってチェックすべきポイントはさまざま

一番目に付きやすい外壁は、ある程度住まい手の目でもメンテナンスの時期がわかりやすいものです。たとえば、モルタルの外壁ならば、手でこすったときに白い粉状のものがついてくる「チョーキング」が発生していれば、外壁に塗ってある塗料の防水効果が薄れてきた証拠です。

・モルタル

コーキング補修・亀裂やひび割れ(クラック)の補修・塗り替え

・サイディング

コーキング補修・塗り替え

・外装用タイル

コーキング補修・タイル剥離の補修

このようなメンテナンスが必要です。

もちろん、目に見えてわかるような亀裂があれば、雨水の染み込みが既に起こっているはずです。その雨水が木の柱や梁に影響を及ぼしているかもしれません。住まい手がひび割れなどに気づく前に防水塗装などのメンテナンスを施すのが、住宅にとってはとても重要です。

問題が大きくなる前に、専門業者に“診断”をしてもらうことが大切。チェックのサイクルは、3~5年に1度が目安となります。診断の結果、どこまで手を入れるのがベストなのかを、相談の上決めてください。

2.屋根―目に見えない場所だけに、慎重に

住宅の中でも、日ごろなかなか目にしない部分が屋根です。他の高い建物(マンションやオフィスビル)にでも登らない限りは、まじまじと見ることはないでしょう。

このような屋根ではありますが、住宅を風雨や夏の暑さから守ってくれるとても大切な箇所であることはどなたも理解されているはずです。ここに傷みが生じていれば、雨や風が小屋裏や柱を蝕む結果となってしまいます。

木材を傷める「木材腐朽菌」は、湿度85%以上、木材含水率が20%以上の高温多湿を好むとされています。つまり、屋根の周辺こそが彼らの好む場所といえるのです。住宅を危険にさらさないために、屋根のチェックとメンテナンスは欠かせません。

屋根がどのような状態にあるのかのチェックは、やはり5年ごとがよいでしょう。チェックの結果、塗装や屋根材重ね張り、葺き替えを選ぶことになります。

最低限のメンテナンスである塗り替えは、

  • アクリル樹脂―3~5年ごと
  • ウレタン樹脂―5~7年ごと
  • シリコン系―7~10年ごと
  • フッ素―10~15年ごと

がそのサイクルといわれています。

3.床下―見えないところに潜む敵も

住宅のメンテナンスの中でも、比較的認知されているのが床下ではないでしょうか。その理由は「シロアリ」です。木材を食い荒らし、住宅の安全性を脅かす敵として知られているからです。シロアリ防除の薬剤の効果は、5年とされています。見えない場所だけに、ついチェックのタイミングを見失いがちですが、決して忘れてはならないのです。

床下換気装置を設置していても、地面に近い場所で動く機械にとってホコリや湿気は大敵。知らず知らずのうちに故障しているケースも散見されるようです。せっかく設置しても動いていなければ意味をなしません。換気装置のチェックも必要です。

このような事柄を総合的に考えて、住宅の床下のメンテナンスも、5年ごとがベストです。

4.配管―15年ごとに

この配管も、場所が場所であるだけにチェックやメンテナンスを忘れがちです。住宅というもの、水が使えなければ生活は成り立ちません。特に水回りはチェックを欠かさず行いたいものです。

ある日突然水道料金が上がった、家のどこかで漏水しているかも、そんなトラブルに見舞われないためにも、メンテナンスは不可欠です。問題は水道料金だけではありません。漏れた水が蒸発し、湿気となって住宅を傷めることにもつながるのです。

家を建ててから15年も経過すれば、キッチンやトイレ、バスルームなどの水廻り設備も陳腐化し、リフォームしたくなる頃でもあるはずです。これを期に、配管もメンテナンスしましょう。

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こまめなメンテナンスが、住宅の寿命を延ばし、価値を保つ

住宅といえば、一生モノの財産であるべきです。数十年にわたるローンを組み手にするものですから、長く愛着ある場所として存在し続けて欲しいものではないでしょうか。また、何らかの事情により手放すことになったときも、こまめにメンテナンスをしてある住宅は、より高く売れる傾向にあるといいます。宝物である住宅を、ずっと価値あるものとして保つためにも、メンテナンスは定期的に行わなければなりません。

今から家を建てようとされているのであれば、設計図など家にまつわるデータを記した書類をなくさないようにしてください。そして、メンテナンスを行ったら、それに関する記録も取っておくようにしましょう。これらの“証拠”が、次の購入希望者にとって、その住宅がどれほど大事にされてきたのかを証明するものとなるのです。

メンテナンスをこまめに行うことの大きなメリット

住宅のメンテナンスには、思った以上のお金がかかります。一般的に日本の住宅の寿命は30年程度といわれますが、この間にメンテナンスを行った家と、そうでない家との差は歴然としています。

こまめに手入れをした家は、築30年頃に訪れる“転機”に、軽微なリフォームで済むことも多くあります。一方、メンテナンスを怠った住宅は、建て替えを迫られることも少なくありません。トータルで出てゆくお金はさほど変わらないにせよ、建て替えともなると仮住まいの準備や引っ越しなど、家族ぐるみで大掛かりな作業を求められます。

新築の住宅には、施工業者が自主的に行ってくれる定期的なチェックがあるはずです。このような仕組みを上手に利用しながら、まずはチェックを。そして、必要とあらばきちんとメンテナンスを行うべきです。

「瑕疵担保責任保険」がついていても、住まい手の意識で住宅の運命が変わる

新築の住宅には、「瑕疵担保責任保険」がついているものです。たとえそれで10年間の保障を受けられるとしても、これは施工業者の何らかのミスをカバーするものです。住まい手がメンテナンスを怠ったために起こったトラブルをカバーするものではありません。

住宅にトラブルが発生したとき、施工業者の問題か、それとも住まい手の問題なのかが判別しづらく、時に係争問題にまで発展することがあります。これを避けるためにも、住まい手の側が適切なメンテナンスを行っておく必要があるのです。

おわりに

住宅というもの、おおむね数十年のローンを支払いながら手に入れるものです。大事な宝物である住宅は、メンテナンス抜きに価値を保つことはできません。

ローンを支払い、なおかつメンテナンス用の積み立てが必要なのは、どなたもご存知のはず。費用面で重く感じるからとケアを怠ると、後に大きな“しっぺ返し”が来ることになります。そのような悲しい状態に陥らないためにも、住宅のメンテナンスは非常に大切なことなのです。

日本の住宅の寿命は30年―そんな定説を覆し、ご家族がいつも安心して身を寄せることのできる我が家でいつづけてもらうために、チェックやメンテナンスを行う…これは住宅の持ち主に課せられた“使命”ともいえるものです。

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